政治・経済

空き家問題の解消後押し 地域問題研究所の支援事業が始動

地域問題研究所の伊東所長(右)と瀧澤研究員

 シンクタンクの地域問題研究所(松本市島内)は今夏、社会問題となっている空き家を解消するため、所有者への啓発や広報を中心とした支援事業を始めた。空き家の活用が進まない背景として、遺品や家財などの何から片付けていいか分からなかったり、賃貸するにも「修繕をしなければ」と思い込みがちだったりする点がある。専門の資格を持ち、自身の実家を貸した経験もある所員が相談に乗り、当事者と伴走しながら活用に向けて支えることにした。

 全国的に空き家が増加する中、倒壊の危険やごみの放置、草木の繁茂などが問題となっている。研究所によると、県内の空き家率は全国で3番目に高い。別荘が多いという地域性もあるが、別荘地以外の市街地や農村部でも空き家は多いという。
 研究所の瀧澤重人研究員も生坂村の実家が無人となり、草刈りや除雪、メンテナンスに約3年間通ったが「生産性が悪かった」と振り返る。重い腰を上げて「空き家バンク」に登録したところ、すぐに借り手が見つかったといい「借りたい人はたくさんいる。時間もお金も浮いた」と話す。松本市内の実家をシェアハウスとして活用してもらっているという伊東敬所長も「住まないでいると家はどんどん傷む。借りてもらってありがたい」と語る。
 事業では具体的には、遺品の整理や廃棄物の処理、仏壇の魂抜き、農地の引き継ぎなどをワンストップでできるようにサポートする。敷地や建坪が広かったり敷地内に建物が多かったりする住宅について「現状貸し」を認める内容で賃貸借契約が結べることも発信する。
 伊東所長は「空き家を活用するため所有者に寄り添い、背中を押す役割を担いたい」と話している。