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上高地線運休1カ月 地域の足をバスで代行 渋滞で遅延も乗客「仕方ない」

電車で降りた乗客に拡声器を使って乗り換えバスの案内をする係員(右)

 8月の大雨の影響で松本市内を走る鉄道・アルピコ交通上高地線の橋りょうが被災し一部区間で運休してから、14日で1カ月になる。代行バスが運行されているが、車の渋滞による到着時間の遅れが目立ち、利用客から早期復旧が望まれている。新村駅前―松本駅前の代行バスに乗り、乗客の声を聞いた。

 朝の通勤通学の時間帯を取材しようと、午前6時半ころ新村駅前を訪れた。7時台まで乗客が多い便が続き、係員やバスの運転手が車両の準備に追われていた。
 午前7時52分、上り電車が新村駅に到着した。乗客の高校生や社会人らはホームを降り、駅構内を足早に歩いて乗り換えバスの前に並んだ。係員は終点まで乗る人は後方に座るよう協力を求めていた。「渋滞が読めない」ため、この先の乗り降りをスムーズにして遅延を減らしたいという。大型バス1台に自分も含めて45人ほどが乗り、定刻の午前7時57分に出発した。
 新村交差点を右折して国道158号に入り市街地へ。渋滞が続き右折困難な朝もあるそうだが、記者が乗った10日は難なく通過した。島立地区に入ると2カ所の臨時バス停が、国道に並行する通称・旧道沿いにある。道幅が狭く、バスも対向車も徐行して道を譲り合う場面が何度もあった。
 途中の乗降客は数人だったがタイムロスはあるようだ。次の鎌田地区内のバス停は8分遅れで到着した。隣席の男性が「この先の鎌田交差点が渋滞していないから、いつもよりだいぶスムーズ」と教えてくれた。被災した橋りょうの近くを通り過ぎ、終点の松本駅アルプス口に着いたのは7分遅れの午前8時29分。降りた客に急ぐ様子はなかったが、電車に乗り換える人に影響する場合もあるだろう。
 多くの乗客が到着時間の遅れの解消を望んでいる。和田から電車とバスで通学する市内の高校3年の女子生徒(17)は登校時間に間に合うよう「早起きして早い時間に乗るしかない」と困惑する。所要時間の短縮として松本駅前―新村駅前の直行便導入を求める人もいた。アルピコ交通によると、橋りょうの復旧のめどは立っていない。「仕方ないが、電車で行ける駅まで走らせたり、いろんな手立てを考えてほしい」。代行バスに乗っていた男性(50)=波田=はそう語っていた。多くの利用客が同じような気持ちだろうと思った。