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須原の水舟 14年ぶり更新 樹齢100年のサワラ用い 10月中に3基完成

サワラの天然木をくりぬく「大堀」の作業に取り組む住民たち

 大桑村須原地区にあり、旧中山道沿いの宿場の風情を醸し出している水場に今秋、14年ぶりに新しい「水舟」がお目見えする。くりぬいた丸太に水をためて水場としている水舟は宿場内に5基ほどあるが、老朽化している物もある。10月中にも3基を完成させ、老朽化した水舟と入れ替える予定だ。

 地区内の住民でつくる須原宿景観形成運営委員会(田中昭三会長)が、村公民館須原分館と連携して取り組む。村役場新庁舎建設に伴って村有林から出た樹齢100年ほどのサワラを使う。かつて水舟作りを手掛けた地元の桶職人が亡くなり担い手がいなくなった中、「水舟を作らないという選択肢はない」との結論に達し、住民が知恵を出し合って取り組むことにした。
 5日に作業が始まった。初日は約30人の住民らが参加し、直径1㍍余り、長さ3㍍ある天然木の皮をむき、チェーンソーや手のみなどを使ってくりぬく「大堀」を進めた。作業は来月にかけて毎週末に行う計画で、田中会長は「多くの住民が参加してくれてうれしい。(初日だけで)予想以上に作業が進んだ気がする」と話していた。
 水舟は、昭和30年代まで生活用水の貯水槽として地区内の各所にあったが、上水道の普及で徐々に姿を消した。「水舟の里」の再興を目指して40~50年代にかけて水舟が並ぶ景観を復活させ、平成18(2006)年から2年間かけて大小4基の「平成の水舟」を新調した。同委員会企画担当の栩秋浩二さん(67)は「『令和の水舟』作りは素人ばかりで挑む。不安はあるが、なんとか完成させたい」と話していた。