連載・特集

2021.9.17 みすず野

 この地は水に恵まれている。梓川、奈良井川、田川、薄川...。清らかな地下水もある。水が大地を潤し、生活を豊かにしてくれる◆松本市の田川小学校では校歌で「田川の流れわが流れ」「夏はならい(奈良井川)の水泳に│」と歌い、筑摩小学校の校歌には「野ざわな洗うすすき川│」の歌詞がある。児童には分からないかもしれないけれど、声を合わせて歌えばふるさとの原風景が目に浮かぶ。流れをたどれば山に行き着く◆全国で河川の氾濫や地盤の崩壊といった豪雨災害が毎年のように起きる。中信地区でも8月、各地で河川の護岸が崩落。田川の増水でアルピコ交通上高地線の鉄橋の橋脚が傾いた。松本│新村間で不通が続いているが、来夏にも復旧するめどがついたという◆松本市の波田中学校の1年生が先ごろ、アルピコ交通本社に137人の生徒が書いた応援メッセージカードを届けた。「頑張って下さい。応援しています」と。関係者には心強いエールだっただろう。田園地帯をゆっくりと走るローカル線は大正10(1921)年の開業で今年で100歳。市民や観光客にもなじみ深くふるさとの風景に溶け込んでいる。