連載・特集

2021.9.10みすず野

 セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)のオーケストラコンサートが、オンラインで無料配信された。新型コロナの影響でOMFは全公演が中止となったが、2回の配信で計3万3000人が視聴した◆何よりサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のメンバー92人と指揮者のシャルル・デュトワさん、小澤征爾総監督が松本市のキッセイ文化ホールに集い演奏を収録し、楽都松本から世界に音楽を発信したことが意義深い◆関係者は開幕直前まで開催を模索した。コロナの感染拡大を不安視する市民の声もあり、中止を決断する。収録場所については小澤総監督の体調や演奏家の負担を考え「東京で」という案も出たというが、小澤総監督は「松本でやる。松本に行く」と言ったそうだ◆海外を拠点にする日本の演奏家の中には国内で一番長く滞在するのが松本という人もいる。市内にはメンバーの色紙や写真を店内に飾った店舗も多く、OMFの足跡を感じさせる。今年は歴代のスタッフやボランティア、市民らが築いてきた信頼関係を再確認することができたのではないか。来年の30周年につながるフェスティバルだった。