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松本→清水港2時間余 中部横断道山梨―静岡 29日全通

 高速道路・中部横断自動車道(静岡市~小諸市、延長132キロ)のうち、山梨県~静岡県の区間(74・3キロ)が29日午後4時に全面開通する。松本市から静岡市の駿河湾までの所要時間は2時間強に短縮され、太平洋の海が一気に身近になる。静岡との物流が盛んになる可能性があり、新型コロナウイルス感染拡大の収束後は観光を含めた人的交流が深まることも期待されている。

 山梨県の中央道双葉ジャンクション(JCT)と、新東名高速道路の新清水JCTを結ぶ区間が全通する。平成14(2002)年から順次開通区間が延び、今回は最後に残っていた山梨県身延町周辺の13・2キロが開通する。
 駿河湾の清水港(静岡市)までは従来、松本から約2時間40分かかった。全面開通で所要時間が25分ほど短縮される。これまで松本から最も近い港の一つだった日本海の能生港(新潟県糸魚川市)に行くのとほぼ同じ所要時間だ。
 農産物の出荷と荷受けをする「停留所」を設けてバスが回る仕組み「やさいバス」では、中部横断道を使って週数回、県内から静岡方面に農産物が運ばれる。松本の産品では、飲食店向けのトウモロコシやイタリアントマトが人気だ。全面開通に合わせて現地でPRが進む東信産のレタスはすでに輸送量が増えており、運営会社の長谷川晃央常務は「松本からもさらに多くの農産物を送れるはず」と期待する。
 静岡の県や市、港湾関係事業者でつくる清水港利用促進協会は、県内企業に工業製品や農産物を輸出に同港の活用を呼び掛けている。今後、松本市内でも説明会を開催する計画だ。同協会の担当者は「農産物の輸出のために設備も整えた」とする。
 百貨店の井上(松本市深志2)は、静岡で開催される物産展などに参加するなどして、松本の特産品のPRを計画する。井上博文常務は「全線開通で経済圏が生まれる。山梨や静岡とのパイプを太くしていきたい」と話す。