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安曇野市 大雨避難が対象者の1.5% 発令浸透課題

明科公民館に開設された避難所。避難者はまばらだった(14日)

 大雨による緊急安全確保や避難指示などを14日から18日にかけて一部地域に発令した安曇野市で、市が開設した避難所に身を寄せた市民は最大で対象人口の1・5%にとどまり、災害対応の難しさがあらためて浮き彫りとなった。命の危険が迫っていることを示す緊急安全確保(警戒レベル5)の発令は県内初で、市議会議員からは市の対応を評価する声の一方、市民が発令に慣れてより一層避難が進まなくなることを懸念する声も出ている。

 市は14日午前に明科地域の一部に避難指示(警戒レベル4)を発令し、午後にはそのうちの一部(1636世帯・4024人)を「緊急安全確保」に引き上げ、市民に身の安全を守るために最善の行動を取るよう求めた。知人宅などに身を寄せた人もいたとみられるが、市が明科公民館や穂高会館などに開設した避難所を利用したのは、ピーク時の15日未明でもわずか60人だった。
 緊急安全確保が発令された八つの区のうちの上生野区(明科東川手)は、区の公民館を避難所として開放した。藤原廣美区長(70)は避難が進まなかった要因に高齢化を挙げ、「雨の中で移動できない人がいたのでは」と推測する。避難勧告が廃止されて避難指示に一本化されるなど、5月の避難情報見直しの内容を知らない住民がいたことも、避難が進まなかった背景にあると分析する。
 市議からは「危機管理の対応は早い方がいい。発令が早すぎるとは思わない」と市の判断を評価する声がある。一方で「人命に関わる被害がなかったことは良かったが、次の発令時に『前回は何も起きなかった』と考えてしまわないか不安」と、さらなる避難の遅れにつながることを懸念する意見も出ている。
 市によると、明科地域の一部で土砂災害発生の危険性が高まっていたことから、緊急安全確保を発令した。避難指示発令から緊急安全確保発令までの約7時間に防災行政無線で計4回、避難を呼び掛けたものの、避難者が数人にとどまっていた状況も考慮したという。危機管理課の二木正課長は「避難情報は空振りでもいいので早めに出した。市民には避難訓練などを通じて、逃げる癖を付けてほしい」と呼び掛け、避難訓練の頻度を高めることも検討している。