連載・特集

2021.8.27 みすず野

 梅雨末期のような天候が続き、災害も起きてしまったが、ススキは穂を出し、トンボも飛んで、そこかしこに秋の気配が漂う。「あき」の語源は、十分満足する意味の「飽き」だそう。豊かな実りを得て、満足する季節ということなのだろう◆トンボの古名は「あきつ」、もしくは「あきづ」であった。「あきつ」は秋の物の意味合いで、トンボは古くから秋を代表する虫だったのである。「女心と秋の空」と言うけれど、この秋は「飽き」から来ているのかと思った次第。ちなみに冬の「ふゆ」は、冷えるの古語の「ひゆ」からだ◆ふだん何気なく使っている言葉一つ一つに語源があり、変化が生じて現代に伝わっていることがわかる。日本語は太古からの日本固有の「大和言葉」と、中国から伝えられた「漢語」、もう一つ「外来語」で成り立つが、ふだん使われる言葉は時勢とともに変わる。ひと昔前まで盛んに用いたのに、いまや死語という言葉も多い◆「こよなく」「心置きなく」「いみじくも」「あまつさえ」「目もあや」「言祝ぐ」「幾久しく」...といった大和言葉、古来の日本語を忘れたくないし、会話等に生かしたい。