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松本に渋沢栄一 写真現存 商議所と交流 貴重な資料に

渋沢(前列左から5人目)、今井(同6人目)小里(同4人目)らが確認できる写真(かわかみ建築設計室提供)

 「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家・渋沢栄一(1840~1931)が、松本市を訪れた際の写真が現存していることが、6日までに分かった。松本商業会議所(現松本商工会議所)の初代会頭・今井五介や、初代松本市長・小里頼永らと撮影した集合写真で、かわかみ建築設計室(松本市大手5)が保管していた。渋沢が大正6(1917)年に来松した際に撮ったとみられる。

 渋沢はNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として注目され、令和6(2024)年には新1万円札の肖像になる。写真は松本との関わりを記録した貴重な資料といえそうだ。
 同設計室代表・川上恵一さん(69)は「約20年前、中心市街地の六九町にあった商家の土蔵を移築した。その時に古い写真を譲り受け、その中の1枚だった」と振り返る。確認した市文書館特別専門員・小松芳郎さん(71)は「初めて見る写真。写っているのは渋沢、今井、小里に間違いない。中町通りにあった商業会議所の前で撮ったのだろう」と語る。
 学校法人松商学園(松本市県3)発行の『今井五介の生涯』(窪田文明さん編著)によると、渋沢は大正6年5月17日、松本駅に着いた。商業会議所主催の講演会で約2000人を前に話した。視察の後、官民合同の歓迎会に臨んだ。翌日は松本商業学校(現松商学園)などの生徒に訓話をした。同学園は渋沢の書を所蔵している。
 小松さんは「渋沢に学ぼうとした商都・松本の経済人の心意気が感じ取れる」と話している。

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