連載・特集

2021.7.23みすず野

 数ある「信州の伝統野菜」の一つ「松本一本ねぎ」の種採り作業が、松本市庄内の生産者でつくる組合で最盛期を迎えた、と本紙が伝えていた。この松本一本ねぎ、自家用に作っているが、実にうまい。その種が地元のみならず、東北や北海道にも出荷されていると知る◆気候が当地に近いからだろうか。うれしい。いいものはいいのである。昨今思うのは、昭和の高度経済成長期以降、私たちは農業をないがしろにし過ぎ、食料を外国に頼り過ぎている、ということ。人は食べなければ生きてゆけず、食べ物がないとどうしようもないのに、多くの日本人がそれを忘れた◆いま食べ物を生産する営農者は、私たちの命を守ってくれる人たちだ。もっと敬意を払っていいのでは。まあそれはそれとして、畑に立つことで、流す汗によって身心が開放されるのはまちがいない。身近な自然を知り、その移り変わりを感じ、作物の実りも天候や大地あってのことだと知る。感謝の気持ちがわいてくる◆精神を病んで勤められなくなったり、引きこもってネット依存に陥ったりする人が多いと聞く。畑に目を向け、そこから始めてみてはどうだろう。