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松本出身のデーデー・ブルーノ 東京五輪代表なるか

高校3年の県総体で力走するデーデー(平成29年5月、松本平広域公園陸上競技場)

 陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(24~27日)が大阪市のヤンマースタジアム長居で行われ、男子の100㍍と200㍍で、松本市出身で筑摩野中から創造学園高(現・松本国際高)、東海大に進んだデーデー・ブルーノ(21)=4年=が、ともに2位に入った。五輪の参加標準記録を突破していないため個人種目での出場は厳しいが、400㍍リレーのメンバー入りに可能性を残した。男子100㍍決勝は10秒19の自己ベストを更新し、終盤の加速で9秒台を持つ4選手を振り切った。勢いそのままに、200㍍決勝も自己ベストの20秒63で快走した。

 過去最高のレベルにある日本男子短距離界に、存在感を示したデーデー・ブルーノ(21)。100㍍、200㍍でともに2位に入る快挙を果たし、次世代のスター候補に名乗りを上げた。競技経験がまだ6年と浅く、潜在能力と伸びしろを含めて注目度は一気に上がった。
  100㍍決勝を松本市平田東3の自宅でテレビ観戦した、ナイジェリア出身の父親・ピーターさん(56)と母親・千秋さんは「2人で大喜びした」という。ピーターさんは涙を流して喜び、千秋さんは「本人も決勝に残ることを目標にしていたので、本当にビックリした」と声を弾ませる。
 デーデーは高校2年から陸上を始めた。1年時はサッカー部に所属していたが「強豪校の練習についていくのが大変で、夢中になれなかったんだと思う」(千秋さん)と退部。悩んでいたところを陸上部の友人が熱心に誘い、夢中になれる場所に陸上競技を選んだ。
 ただ、当初からずば抜けていたわけではなかった。顧問の山﨑豊茂教頭(41)は「陸上の素人という感じ。最初の1カ月は試合を見たり体操をしたりする程度だった」という。基本や競技の本質を学ぶ中で、ここでも友人たちが丁寧に指導にあたった。山﨑教頭は「友人に支えられ、生き生きとしていた」と当時を振り返る。
 高校2年の初レースで、いきなりの11秒02をマーク。それでも「すごいという程度。"化け物級"の選手が常に前にいた」と山﨑教頭はいう。インターハイで5位に入ったが、高校、大学で常に前を走る先輩やライバルを追いかけ続けてきた。
 千秋さんは「ここからが大事。自分で納得するまで頑張ってほしい」と期待を寄せる。リレーメンバー入りに希望を残す中で、山﨑教頭は「みんなのおかげだという謙虚な気持ちで、落ち着いて競技に打ち込んでほしい」と願った。