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木祖村のあやめ池で洪水調節 大雨に備え水位下げる 初の試み

水量調節設備(手前)を操作して水量を下げているあやめ公園池

 木祖村は、村内の菅地区にある「あやめ公園池」(大平温水ため池)で、水位を事前に下げる「洪水調整」を行っている。梅雨季の大雨に備えた初の試みで、今月10日に調整を始め、通常より70~80㌢程度水位を下げている。概算で1万2000立方㍍分の水量を蓄える〝余裕〟を持たせている状況という。

 あやめ公園池は「農業用のため池」として昭和48(1973)年に完成した。取水した用水を一時的に貯留し、水温を上昇させてから下流に放流することで、冷害のない水田農業を可能にする役割を担う。池の外周は約900㍍で、4万6600立方㍍の貯水量がある。近年は設備の老朽化に伴い水量調節ができなかったが、県の改修工事が令和元年度に終了し、操作が可能になった。
 ため池には隣接してアヤメ畑が広がり、平成22(2010)年には農林水産省の選定する「ため池百選」にも選ばれている。昨年6月、農業・漁業・観光など幅広い関係者で保全管理組合を立ち上げ、「景観」「観光」など多方面での管理・活用を視野に、村民を交えた活動が始まった。
 今回の洪水調整は、元年度に県の「防災重点ため池」にあやめ池が選定されたことも背景に、農業用のため池を「防災」にも生かす運用だ。大雨災害が激甚化する中、唐澤一寛村長は「浸水区域の住民の命を守り、安心・安全の確保につながれば」と期待している。
 梅雨明けには水量を通常に戻す。