地域の話題

テレワーク推進で地方移住増える

安曇野地球宿の庭でテレワークをする山本さん

 新型コロナウイルス感染拡大で定着したテレワークが、安曇野市などへの地方移住を後押ししている。場所に縛られない働き方が、現在の仕事を辞めずに移住することを可能にした。地方で暮らす際の大きな懸案事項となる「仕事」への不安が解消され、現役世代の地方移住に対するハードルが下がっている。

 東京都のIT企業に勤める鈴木舞さん(34)は、昨年12月に安曇野市堀金烏川に移住した。もともと通勤範囲内での引っ越しを考えていたが、3月中旬から完全にテレワークとなったことで選択肢が広がった。自然観察やチョウが好きなため東京にも出やすい安曇野市を選び、「風景がきれい。登山もウインタースポーツもしてみたい」と目を輝かせる。
 大阪市のIT企業に勤め、5月に住民票を移した山本馨子さん(29)=安曇野市三郷小倉=はコロナ禍以前から「脱サラせずに地方移住」を考え、昔からなじみのある安曇野市を移住先に決めていた。昨春から完全にテレワークになったため、夏以降は豊科のシェアハウス・旅鳥や三郷小倉の民宿・安曇野地球宿に滞在して実際の暮らしやすさを確認。7月からは一軒家を借りて三郷小倉に住む。「会社の方針にもよるが、仕事を辞めなくても移住できることを発信していきたい。都市部と地方の懸け橋になれたら」と力を込める。
 テレワークをきっかけに地方のシェアハウスに住む人もおり、旅鳥を利用する大阪府豊中市の女性会社員(46)は「安曇野は休日を過ごす環境としてとてもいい」と話す。
 松本市でも、移住相談の際に「テレワークだから仕事の心配はいらない」と話す人が増えており、移住推進課の担当者は「仕事を変えずに移住できるようになったのは大きなポイント」と話す。塩尻市は昨年度の総務省の「関係人口創出・拡大事業」のモデル事業に採択され、テレワークやデジタルトランスフォーメーションの環境整備にも力を入れている。秘書広報課の担当者は「東京と塩尻など、2地域居住者が増えている印象」と話している。