政治・経済

子宮頸がんワクチン 塩尻で昨年度の接種人数前年度比6.6倍

 塩尻市の子宮頸がん予防ワクチンの接種延べ人数は昨年度、106人で前年度の6・6倍に急増した。平成25(2013)年4月の定期接種化後に副反応の問題などが浮上して接種者がほぼいない状況が続いていた。国の方針転換を受けて市が、対象の女子に接種情報を個別通知したためとみられる。

 市健康づくり課によると、接種者は初年度は延べ183人だったが、その後は激減していた。国は昨年10月、「積極的な接種勧奨はしない」としつつ各自治体に個別通知するよう通知した。これを受けて市は定期接種最終年の16歳に限り、女子299人に個別通知した。保護者からの問い合わせも多かったという。
 子宮頸がんは国内で年間約1万人がかかり、手術や治療が将来の妊娠に影響する場合もある。一方、定期接種開始直後に、持続的な痛みなどの副反応を訴える例が頻発し、国が接種勧奨を控えるよう自治体に勧告したのを受けて、市は個別通知を見合わせてきた。
 対象者が接種体制を知らずに機会を失うことなく、リスクも踏まえて受けるかどうかを判断できる情報提供が求められる。市議会6月定例会の一般質問では、接種に適齢期があることを念頭に「正しい情報を通知し適切に判断できるように」と求める議員がいた。
 定期接種の対象年齢は12~16歳の5年間で、間隔を空け3回接種が必要となる。実費だと計約5万円かかる。対象となる希望者には市窓口で、接種にまつわるさまざまな説明をした上で全額公費負担の接種券を配布している。
 市は6月初旬、中学1年相当以上の13~16歳の女子1181人に接種情報を個別通知した。百瀬公章健康福祉事業部長は「よりよい情報提供のあり方を検討していく」と話している。