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大歌舞伎、松本中心街に熱 苦境の宿泊業者に好機

 第7回信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』の開幕が17日に迫り、松本市の中心市街地では公演に向け雰囲気が盛り上がってきた。会場となるまつもと市民芸術館は、祭りのような装いを整え、準備は万端。新型コロナウイルス感染拡大が続く中、久しぶりの大規模イベントとあって、観光関係者の期待も大きい。

 芸術館の入り口は、歌舞伎座を模した装飾や市民サポーターや企業の協賛で作られた色とりどりののぼりが並ぶ。15日は、地元地区で保存する「舞台」と呼ばれる山車を「松本祭ばやし保存会」のメンバーら10人が、深志神社前の蔵から芸術館に運んだ。例年は出演者が人力車に乗って中心市街地を行進する「登城行列」に舞台が加わって盛り上げるが、今年は感染対策から中止となり、芸術館前に飾ることにした。
 保存会は20日、舞台上でおはやしを披露し公演をもり立てる。保存会の村山謙介さん(43)は「大歌舞伎は市民にとっての祭りで誇り。コロナ禍ではあるがにぎやかになれば」と話していた。
 17~22日の7公演の来場者は、延べ約9000人に上る見通し。県外からの来場も多いだけに、苦しい経営が続く宿泊業者には好機となる。
 ホテルニューステーション(中央1)は、公演チケット付きの宿泊プランが例年の75%程度売れている。客室稼働率が4割の状態が続く中ではありがたいという。小林磨史社長は「開催できる催しから着実に行うことで、街の活気も戻っていくはず」と話す。
 一方、感染リスクを懸念する声も聞かれる。市街地の飲食店でアルバイトをしている女性(21)は「街や店がにぎわうのはうれしいが、感染が拡大している県から来る人もいるだろうし不安もある。店内の消毒や換気に一層気を使わないと」と複雑な表情を浮かべた。