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労災の60歳以上が占める割合が増加 骨折目立ち対策呼び掛け

 松本・木曽地方で発生する労働災害のうち、60歳以上の「高年齢労働者」の占める割合がにわかに高まっている。松本労働基準監督署は、高年齢労働者に圧倒的に多い、手首や胸部、足、指を負傷する「骨折災害」の防止対策を徹底するよう各事業所に呼び掛けている。

 今年4月末まで4カ月間に発生した同労基署管内の休業4日以上負傷者は107人(新型コロナウイルス感染症に起因する労災を除く)で、うち60歳以上が35人と全体の32.7%を占める。昨年まで過去10年間が平均24.1%だったのに対し際立つ。同労基署は食料品製造業や保健衛生業、清掃業で目立つとし「分析が必要」と動向を警戒する。
 ただ、過去10年間をみると、事故の型別で最も多い「転倒」の35.9%、続く「墜落」の25.5%をそれぞれ高年齢労働者が占め、女性労働者は「転倒」によって76.9%が、男性は「墜落」によって62.1%がともに「骨折」を伴う特徴がある。世代的に顕著な傾向は「今年も同様」という。
 総務省の「平成27年国勢調査」によると、県内15歳以上就業者数は減少する一方、うち65歳以上は22年調査より2.9ポイント増え16.8%を占める。同安全衛生課の佐藤幸男課長は、三脚脚立に乗って樹木の剪定作業をしていた男性が高さ2㍍から墜落した死亡災害を例に「高年齢労働者が増える中、運動機能の低下など体の衰えに伴う災害リスクへの認識を改める必要がある」と話す。