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鉄道上高地線の昨年度利用者が過去最少 コロナで観光客激減

電車を降りる上高地線の利用者(新島々駅)

 アルピコ交通(松本市井川城2)は19日、鉄道・上高地線の昨年度の利用状況をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、利用者数は前年度比35・8%減の112万4000人で、しっかりとした記録が残る昭和38(1963)年以降で最少となった。

 利用者の中で、定期券利用者数は前年度比29・6%減の82万7000人だった。うち通勤利用が同10・9%減の21万4000人だったのに対し、通学利用は同34・5%減の61万3000人と落ち込みが大きかった。コロナ禍で休校やオンライン授業を導入した高校・大学が多かった点が影響している。定期券以外の利用者は同48・3%減の29万7000人だった。昨年春に全国を対象とした緊急事態宣言が発令され、上高地を訪れる観光客が激減した影響が大きい。
 同社鉄道事業部の隠居哲矢部長は、観光客に来てほしいと言えないのは非常に苦しいとしつつ、利用者の6~7割を通勤・通学客が占めることから「感染防止対策は万全にしていく。路線維持のために地元の方に利用していただけたら」と話す。