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拾ケ堰の絵図発見 全長12メートル 28日から豊科郷土博物館で公開

絵図で描かれている梓川との交差付近。当時の拾ケ堰の様子が詳細に描かれている(市文書館提供)

 安曇野市は14日、市内を流れる農業用水路・拾ケ堰を描いた絵図「筑摩県管轄信濃国安曇郡拾ケ堰絵図」を新たに発見したと発表した。全長約12メートルの大きな絵図で、実際の流路の形に沿って紙が継ぎ合わされており、取水口や水門、ほかの堰との交差箇所などの様子が詳細に描かれている。「筑摩県」の表記から、明治4(1871)年~9年の間に描かれたとみられる。発見を記念して、28~30日に市豊科郷土博物館で特別公開する。

 穂高柏原の個人宅で発見され、4月中旬に市教育委員会に寄贈された。市文化課によると、市が確認している拾ケ堰の絵図は、江戸後期の計画図や山なども含めて描いた全景図など数点で、ここまで大きく堰の詳細が描かれた絵図の発見は初めて。
 拾ケ堰は江戸後期の文化13(1816)年に、安曇野の10カ村が開削した。絵図は全体が彩色され、松本市島内の奈良井川の取水地点から、安曇野市穂高の烏川に至るまでの全長15キロが、約1000分の1の縮尺で描かれている。所々に「コレヨリ上ヘ五十六ケンツキ土手」などといった説明書きもある。拾ケ堰を管理していた「堰守」とみられる人物の名前や、水を引いていた11の村名も記されている。
 市文書館の主査・青木弥保さんは「取水口や水門などの造作物がしっかり描かれている絵図は珍しい。単純なL字ではなく、実際の堰の形に合わせて紙を貼り合わせているところがすごい」と話す。絵図製作の目的や用途などについては今後調査していく。文書館で保管し、7月以降はデジタル画像での利用ができるようする。
 絵図が大きく、公開の機会が限られることから、特別公開を企画した。公開時間は午前10時~11時と午後2時~3時。入館料100円。問い合わせは豊科郷土博物館(電話0263・72・5672)へ。