地域の話題

100年前 今と同じ感染対策 旧開智学校が松本地域の小学校調査

調査した学校日誌を広げる遠藤さん

 100年前の学校も、休校やマスク着用で感染症流行を抑えようとしていた│。松本市の国宝旧開智学校校舎は、大正時代に猛威をふるった「スペインインフルエンザ」について地域の小学校に残る日誌から各校の状況を調査し、ホームページに成果を掲載した。新型コロナウイルス禍の現代の学校にも共通する対応や予防策があったことを紹介している。

 全国的な大流行となった大正7(1918)年と9年に松本でも感染が広がったという。
 学芸員の遠藤正教さん(37)が当時開校していたうち19校を調べ、多くで校内流行と臨時休業が確認できた。休校は学校判断によって役場に届け出ており、期間は3~10日程度、複数回実施もあった。休校後に欠席者が半減するなど効果が上がった一方で、「空前の出来事」「子供のいない学校は寂しい」といった記述から異例の措置だったことが分かる。
 2回目の流行時は、感染が疑わしければ休ませる方針や、集会でのマスク着用の記録があり、休校は少なかったという。予防注射を実施した学校もあったが、病原ウイルスが発見されておらず効果はなかったとされる。
 当時国などが配布した注意書きも残り、▽大勢集う場に行かない▽人の集まる場所では必ずマスクを掛ける▽うがいをする│といった心得が記されていた。
 インターネット展覧会として、資料写真などとともに6月27日までの予定で公開している。遠藤さんは「児童を守ろうという気持ちや、やっていることは今と同じ」と驚き、「古い記録から、忘れられていた当時の状況を知ることは現代の役に立つのでは」と話している。