連載・特集

2021.5.3 みすず野

 安曇野市三郷の貞享義民記念館には、昭和21(1946)年11月3日の日付で、日本国憲法公布を宣言する天皇の署名と印、内閣総理大臣・吉田茂以下、各大臣の署名が並んで「ここにこれを公布せしめる」との一枚が展示されている。中に三郷出身の国務大臣・植原悦二郎の署名も。はや75年の歳月がたった◆「国破れて山河在り」。日本は焼け野原から再出発を誓い、奇跡の復興を遂げ、経済大国となって今日に至る。その根幹には「戦争を永久に放棄する」の憲法9条があり、「国際平和を誠実に希求」する願いがあった。だが軍事大国中国の脅威も含め、一国平和主義に安住できる情勢ではない、との考えから安倍晋三首相時代、改憲論が現実味を帯びた◆安倍前首相は、宿願の9条改正を実現するため、集団的自衛権の行使容認などに踏み込んだが、結局改正には至らず、自ら退陣してしまった。いまコロナ禍に覆われて、改憲どころではなくなり、国民の関心も薄れた。とはいえ、改憲論が消えたわけではない◆きょうは日本国憲法が施行された日。いま一度憲法を読み直すことから始めてみたい。一人一人の問題なのである。

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