連載・特集

2021.5.17 みすず野

 里山は、みずみずしく色調豊かな新緑から日一日、その緑が濃さを増して、「万緑」という感じになってきた。自然は一年中で最も美しい、生命力あふれる季節と言っていいが、人間界はコロナ感染にあたふたし、ワクチン接種が進むとはいえ、その災禍の真っただ中にある◆感染力や重症化リスクが高いとされる、変異ウイルスがはびこって、ワクチン接種は逐次行われているのに、感染者の減少が鈍い国が出てきた。インドなどは1日の感染者がものすごい数に及んで、完全に医療が崩壊、どうにもならない状態になっている、とニュースが伝える◆国内では長引く自粛生活で、特に高齢者の身体機能の低下、心の保ち方の衰弱が指摘され始めた。施設に入っている人は、家族らとの面会が禁じられ、外出もままならないことから、気持ちが塞いで、不調を訴えるケースが出ているという。行きたいところに行けない、会いたい人に会えない、という外出自粛が及ぼす影響は大きい◆高齢者に限った話ではないだろう。誰もが適度な運動を心がけたい。周りの緑は目にやさしいし、息吹は身心をよみがえらせてくれる。万緑や万力である。