連載・特集

2021.5.14みすず野

 「世間のもつ高齢者イメージと実像の乖離が広がっているように思います」。精神科医の和田秀樹さんが新刊『60代から心と体がラクになる生き方』(朝日新書)で述べている。例えばテレビ局は深夜、若者しか起きていないと勘違いし、そんな番組ばかり流している◆だが、実際はホワイトカラーを引退した多くの高齢者たちは、深夜起きており、ラジオの深夜便の人気がそれを物語っていると。そう言われて思った。団塊の世代がみな70歳を過ぎ、高齢者の仲間入りをしたのだが、この人たちは戦争を知らない戦後世代。学生運動を展開し、ギターを弾いてフォークソングを歌い、喫茶店に入り浸った若者ではなかったか◆高齢者というと、早寝早起き、コーヒーやハンバーガーなどに縁はなく、歌うのはもっぱら童謡か演歌のイメージだったが、いまそうではないのである。その証拠に松本地方のコーヒー専門店やチェーン店も、年配者が一人で、夫婦で、グループでよく訪れている◆と考えると、ビジネスチャンスもそこにあるのでは。パソコン、スマホを使いこなす当節の高齢者が、何を求めているのか。実像は相当変わってきた。