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松本の上土町で三峯講110年の記録見つかる

上土町の三峯講の営みを克明に記録した資料を広げる鈴木さん(右)と市東さん

 松本市大手4の上土町で火事・窃盗・疫病よけの神様としてまつられている三峯神社で、現在も続く三峯講「上土町中央講社」の古い運営記録がこのほど、見つかった。かつて映画館や飲食店が並ぶ歓楽街だった一帯の商店主や住民に親しまれ、毎年春には三峯神社(埼玉県秩父市)へ代参(参拝)旅行に出掛けるなどした講の110年近い営みを細かく記した貴重な資料だ。住民たちは後世へ伝えようと活字化を検討している。

 地元和菓子店「東もん磯村」を営む元代表世話人の横田和久さん(89)宅で、明治・大正期に発起人だった祖父・熊造さん、その後に役目を継いだ父・峯三郎さんと代々引き継がれてきた。大正2(1913)年から平成12(2000)年までの資料で講の会員名簿や代参の旅程、帳簿など20点以上が残る。
 名簿には上土町だけでなく周辺地域の住民も記され、大正・昭和期にかけて講の規模が拡大したのが分かる。春の代参旅行は宿泊を伴う「お楽しみ」行事だったようだが、次第に日帰り旅行へ縮小し、平成12(2000)年以降は5年に1回程度とする規約ができるなど、時代の流れを感じさせる。
 横田さんは「代参はみんなの息抜きだった」と振り返る。元上土町町会長の鈴木秀三郎さん(73)も「多い時は80人以上で代参した。東京で飲んだことも。楽しかった」と懐かしむ。
 上土町の住民で民俗学研究者の市東真一さん(28)は「地方の都市部で近現代、三峯講に誰が参加し、何を楽しんだかが克明に記録された貴重な資料。記録を整理し研究したい」と語り、後世に伝える活字化に意欲を見せた。