政治・経済

コロナ禍の消費喚起策 松本市がキャッシュレスに一本化方針 市会は慎重対応促す

 松本市は21日、新型コロナウイルス禍で昨年度実施した、松本プレミアム商品券の発行とキャッシュレス決済ポイント還元事業の各消費喚起策の結果を市議会経済文教委員協議会で報告した。市は事業の利点や課題を総合的に評価し、今後の消費喚起策をキャッシュレス決済に一本化したい考え。一方、議員からは「顧客の誘導に見える」「デジタルが苦手な市民に丁寧な説明を」など慎重な対応を求める声が上がった。

 商品券の発行と2度のポイント還元事業を併せて、利用された総額は62億1940万円に上った。公費負担額のうち事務費は印刷やデータ入力、換金などを要する商品券事業が8397万円だったのに対し、事務量の少ないキャッシュレス決済は1弾が698万円、2弾が363万円だった。
 市や決済アプリの運用会社ペイペイなどの分析によると商品券は38・2%がスーパー、次いで23・1%が大型店・百貨店・ホームセンターで利用され、キャッシュレスは18・4%の飲食利用が最も多かった。新たにキャッシュレス決済への対応を始めた事業者は対前年で7・6%増えたほか、決済者数や決済額も増加し「キャッシュレスが一定の普及を見た」(産業振興部)。
 市は商品券に比べて経費や手間が掛からず事業者負担も少ないキャッシュレス決済事業が有利と判断し「今後の消費喚起策でも実施したい」と説明した。
 ただ、現状では業者がペイペイ1社に限定される点やキャッシュレス決済を苦手とする市民の観点から、議員には「キャッシュレス推しのための説明に聞こえる」などの声も漏れた。喚起策は市、松本商工会議所、波田商工会などでつくる実行委員会が実施した。