政治・経済

松本市スーパーシティ応募 デジタル技術駆使

内閣府への特区申請を報告する臥雲市長(左)と宮之本副市長

 松本市は16日、最先端技術の活用と規制緩和で未来都市の実現を目指す、国の「スーパーシティ型国家戦略特区」に応募した。全国約30の地域・自治体から応募があったとみられる中、市は個人の健康情報の電子データ化と、地場産の再生可能エネルギーの活用の2分野で特区指定を目指す。臥雲義尚市長は応募後の記者会見で「市民の豊かさと幸せ、日本の未来社会につながる構想。ぜひ実現させたい」と語った。

 2分野を併せて「市民と地球のいのちを守る」を標題に掲げた。
 「サステナブル(持続可能)な医療・福祉・健康づくり」とうたう分野では、個人の生涯の健康情報を電子データ化し、必要な時に必要な場所で、必要な記録を活用できる仕組みを作る。病歴や薬歴、健診結果やケアプランなど個別に存在する電子データを本人の同意に基づき連携させることで、適切かつ迅速な診療や救急搬送時の情報共有、日々の健康増進や介護予防などに役立てる。
 電子データを活用したオンライン診療や移動診療所の実現も視野に入れる。市街地と山間部の医療の偏在や、独居高齢者の増加といった地域課題の解決につなげたい考えだ。
 「100%カーボンニュートラルな自立分散型まちづくり」と掲げる分野では、安曇・奈川地域(山側エリア)を中心に市内で作られる再生可能エネルギーを利活用する。複数の蓄電池をつなげた仮想発電所や送電線の外部活用を促し再生可能エネルギーの発電、送電、蓄電、消費を地場で実現する脱炭素型都市を目指す。
 50ヘルツエリア(山側)と60ヘルツエリア(市街地側)で周波数が異なり電力融通が難しい課題も解消し、災害時の電力確保を図る。脱炭素を契機とした観光振興や移住促進、産業・雇用の創出や企業の進出なども期待される。
 一連の構想にあたっては医療法や医師法、FIT法など25程度の規制緩和を内閣府に求めた。市は多量な情報のプラットホームとなるデータ連携基盤の保守費として年数千万円を負担する見込み。
 臥雲市長は昨年の市議会9月定例会でスーパーシティ構想への応募の意向を表明し、宮之本伸副市長の下、10月にプロジェクトチームを立ち上げた。年明けに59の連携事業者を選定し、着手から半年で構想を練り上げた。
 採否は6~7月に公表され、選定されれば基本構想を策定、令和4年度に住民合意の手続きを踏む。臥雲市長は「デジタル化の下、2030年には今ある日本のいろいろなサービスが変わる。その先駆けとなれる存在を目指したい」と話している。