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松本紬に命吹き込む 安曇野などの有志が未使用反物を活用

眠っていた松本紬を活用した洋服やバッグと、プロジェクトのメンバー

 廃業した工房で眠っていた伝統的工芸品・松本紬の布地を活用しようと、安曇野市と松本市の女性有志5人が「あづみの紬プロジェクト」を立ち上げた。草木染の色合いが味わい深い松本紬を、普段使いしやすいパンツやバッグ、ストールなどに仕上げた。完成品を14日から、安曇野市豊科南穂高のカフェ&ギャラリーあづみのコミューンチロルで限定販売する。

 メンバーは、発起人でプロジェクト代表の務台美砂さん(66)=安曇野市三郷温、5年ほど前まで松本紬の工房を営んでいた可児昌子さん(66)=松本市梓川倭、バッグ担当の古畑早苗さん(66)=安曇野市三郷明盛、パンツ担当の山田ゆかりさん(57)=松本市笹賀、チロル代表の岡本由紀子さん(51)だ。
 可児さんの工房には廃業時、糸紡ぎから手掛けた服地や反物約100反が残っていた。幼なじみの務台さんが新型コロナウイルス感染拡大を機に布マスクを作り始めたため、可児さんはマスク用にと松本紬の胴裏地を提供。チロルで販売したところ、付け心地や軽さが好評を博した。松本紬に魅了された務台さんは友人の古畑さんや岡本さん、山田さんに呼び掛け、2月にプロジェクトを発足させた。
 蚕が糸を吐き出すことを指す英語「fusula(ヒューザラ)」をブランド名とし、製品は松本紬の風合いを生かしたシンプルなデザインに仕上げた。可児さんは「軽くて着心地がよく、使うほどつやが出る。有効活用してもらえてうれしい」と喜び、務台さんは「限りのある価値の高い布。幅広い年代の方に手に取ってほしい」と願っている。
 14日の営業は午前10時からで、パンツは限定30本。天蚕紬の反物なども展示する。問い合わせはチロル(電話0263・72・3322)へ。