地域の話題

県畜産試験場が豚舎を新築 防疫厳重 5月に飼育再開

新豚舎の内部。可変型の分娩柵など先進設備が整う

 令和元年9月の豚熱(豚コレラ)発生で全飼育豚351頭の殺処分を余儀なくされた、県畜産試験場(塩尻市片丘)が豚舎を新築・改修し、6日に報道機関に公開した。2棟を新築、5棟を改修して厳重な防疫体制を整え、豚のストレス軽減と、作業省力化も図る最新鋭施設に再生した。5月には豚の飼育を開始し、休止していた養豚研究を再開する。

 衛生管理区域を2重の防疫フェンスで囲って「サブエリア」「飼育エリア」に分けた。飼育エリアに出入りする職員はシャワーで体を洗い、衣服を全て着替える。2年前の豚熱は、ネズミなどが病原体を持ち込んだ可能性があり、飼育エリアを囲むフェンスの下部は鉄板でふさいだ。
 新築豚舎2棟(共に木造平屋計約650平方メートル)には、外部と遮断するため窓がなく、室温を自動制御する。単頭給餌と群れ飼いを両立できる繁殖雌豚用の「フリーアクセスストール」、母豚と子豚の行動範囲の広さを変えられる「ウエルフェア対応分娩ストール」は、豚のストレスを軽減する国内初の設備という。繁殖効率向上の可能性を試験するため、青色発光ダイオード(LED)照明を備える。
 自動給餌システムや、豚舎内の環境通報システムなど、省力化を図る「スマート畜産」の設備を整えた。二酸化炭素排出量を従来の4分の1に抑える密閉型堆肥化施設も新設した。総事業費は5億6350万円余で、半額を国の交付金で賄った。
 神田章場長は、豚熱発生を改めて陳謝し「考え得る最先端の対策をした。さらにレベルを上げていく」と再発防止を誓った。輸入豚肉に対抗できる「おいしい豚肉」の開発を目指し、再び県内養豚振興の拠点となる決意を語った。