政治・経済

ふるさと納税 強化へ転換 臥雲市長「最大限に活用」 返礼品拡充へ

松本市のふるさと納税のパンフレット。返礼品のラインアップを充実させる

 松本市は令和3年度から、ふるさと納税制度の取り組みを抜本的に強化する。前菅谷昭市長の頃は納税の原則から制度活用には慎重で、寄付額は年間1460万円(令和元年度)にとどまっていたが、臥雲義尚市長は「最大限に有効活用すべきだ」と方針を転換。民間のノウハウを取り入れて返礼品のメニューを大幅に増やし、地域経済の活性化や移住促進につなげる。

 本年度は返礼品の募集や発送管理を民間に委託する。現在は市職員の推薦アイテム25点しかないが、今後は民間のネットワークを生かして倍以上に増やす方針だ。移住推進課の担当者は「できれば3桁に届くといい」と期待する。委託先の協力事業者をプロポーザル方式で選定し、10月ころから拡充する。
 菅谷市政では「サービスを受ける自治体に納税するのが基本原則だ」と返礼品競争に距離を置いた。ただ、安曇野市が人気のパソコンなどで9億8000万円の寄付を集めるなど積極的な自治体がある一方、松本市は2000万円未満。松本市民が他の自治体に寄付して受ける市民税控除額と寄付額との差は膨らみ、12年間の累計で9億3450万円に上る。市議会2月定例会一般質問では議員から「極めて大きな額の税金が『流出』している」と指摘された。
 臥雲市長は「寄付額の増加はもちろん、農商工業の振興、地域経済の活性化、都市イメージの向上につながるよう取り組む」と答弁した。市は宿泊ギフト券など観光地ならではの体験型返礼品もそろえて松本ファンを増やし、観光誘客や移住促進につなげる考えだ。