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ブドウ栽培で雇用創出 松本・山辺果樹部会 コロナ禍の失職者支援

 松本市の入山辺、里山辺両地区の果樹農家でつくる山辺果樹部会(佐々木宏部会長)が今春から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で職を失った人などを雇い、ブドウ栽培を手伝ってもらう取り組みを始める。市街地に近い立地を生かして、失職者らの生活を支援するとともに、将来的な就農のきっかけを提供して、全国的にも評価の高い山辺ブドウの振興につなげる狙いだ。

 果樹部会の事業部が、市やJA松本ハイランド山辺支所の助言を受けて企画した。市農政課を窓口に、就農希望者が求める賃金などの就労条件と、農家が提示する給与額や労働条件などをマッチングして、雇用にこぎつける。当面は秋の収穫期まで働き、その後については双方で話し合う。
 山辺ぶどうは、主力品種のデラウェアをはじめ生食用ブドウが大粒で糖度も高いと市場で評価が高い。だが、農家の高齢化による労働力不足などで栽培面積が縮小していくことも心配されている。
 3月に部会内でアンケートを行い、農家が人手を確保するため新たに雇いたい人数を約20人と見込んで実施することにした。
 企画責任者の事業部長の植木宏さん(50)は、平成23(2011)年の東日本大震災に伴う福島第1原子力発電所の事故を受けて福島県から入山辺に避難・定住した。ブドウ農家を手伝いながら自身もブドウ栽培を始めて8年目となる。昨年、知人がコロナ禍に伴う休職などで生活に苦しんでいるのを知り10人を雇用して助け合った。
 植木さんは「山辺のブドウ畑は眺めが良好。今を乗り切って生活を立て直しつつ農業の楽しさも感じてほしい」と願い「地域農業を支え盛り上げる就農モデルにもなれば」と期待する。
 問い合わせは市農政課(電話0263・34・3221)へ。