連載・特集

2021.4.22 みすず野

 藤沢周平の短編「玄鳥」は、武家の娘の淡い恋心を、ツバメ(玄鳥)に託して描いた名作だった。その「春の使者」ツバメが信州にやって来た。身をひるがえして飛ぶさまはとても軽快、背部の黒と腹部の白のコントラストも、すっきりと美しい◆そんな春本番の今度の日曜、参院県区補選が、投票日を迎える。関心はどうやら高まっておらず、コロナ感染拡大もあって、投票率の低下がささやかれるが、菅義偉政権下、初めての国政選挙だ。政権にイエスかノーか、有権者の意思を示したい。コロナ対策は喫緊の課題だけれど、コロナ禍によって、はっきり見えたものがある◆一つは子育てや老後への不安。コロナ前の2019年、最低の85万人まで落ちた出生数が、2020年はさらに下回る見通し。コロナで家計が逼迫し、将来の見通しが立たないとすれば、当然そうなるだろう。もう一つは、その先の格差。仕事、家庭、教育等の格差が明らかになり、「階層社会」が出現したとも言われる◆何を優先し、どう改革してゆくのか、政治の果たす役割は大きい。選挙はそれを考え、誰に託すかを選ぶ。老いも若きも投票所に足を運ぼう。