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手作り着物赤地蔵に奉納 生坂移住の坂本綾子さん

 生坂村の有形文化財(重要文化財)に指定されている赤い姿が特徴的な石仏「赤地蔵」の着物を、村へ移住してきた女性が手作りしている。人々の願いをかなえると伝わり、住民らが感謝を込めて手作りの赤い着物や頭巾を奉納してきたが、近年は作り手が少なくなり、色あせたままの状態が続いていた。受け継ぐ人ができたことで、地域の人から喜ぶ声が聞かれている。

 1年ほど前、地蔵のある日岐の白日集落へ長崎県から移住した坂本綾子さん(60)が手作りしている。作り方は、白日で長く暮らし、着物を縫っていた眞島さだえさん(83)=安曇野市明科=に習った。大小2体の地蔵に合うサイズや使う生地についても教わり、12月末に初めて作った着物を奉納した。寒さをしのげるよう赤い毛糸のマフラーと帽子も手作りした。日焼けなどで現在は少し色があせたが、新しい着物が奉納された直後は、真っ赤な地蔵の姿が見られた。
 坂本さんは、近所の女性から赤地蔵の歴史や作り手がいなくなっている現状を聞き、自分で作ってみることにした。「長崎の実家近くにあった地蔵のために母が前掛けを手作りしていた姿を見て育ったので、自然とやってみようと思った。縫い物が得意という訳ではないが、これからも続けていきたい」と話す。
 赤地蔵はかつてベンガラで赤く塗られ、ベンガラが手に入りにくくなった昭和20年代ころから赤い着物を奉納するようになったという。さだえさんの夫で白日出身の三郎さん(82)は「ありがたいこと」と着物作りを受け継ぐ人の存在に感謝し、「コロナ禍で人と会うことが難しい時代に、赤地蔵がつないでくれた縁のような気がする」と話している。