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県防災ヘリ墜落事故5日で4年 自主運航再開へ訓練に力

新年度からの自主運航開始に向けて、新機体で士気高く訓練に励む隊員たち

 県消防防災航空隊のヘリコプター「アルプス」が松本市の鉢伏山に墜落し全乗員9人が死亡した事故から5日で4年を迎える。悲惨な事故を二度と起こさない―。同航空隊は新年度となる4月から、自主運航による消防・救助活動の再開を目指し、訓練にまい進している。

 昨年12月8日、約1年半に及ぶ訓練の中断を経て、新機体のヘリコプター、2代目「アルプス」を使った訓練が始まった。これまでに県内の気象条件などを覚える「慣熟訓練」や、平地や病院ヘリポートでの離着陸訓練、山岳地でのホバリング訓練を重ねてきた。3月中には、運航再開に必要な訓練の終了を見込んでいる。
 悲惨な事故の教訓として、安全面を徹底的に見直してきた。機長と副操縦士が搭乗する「ダブルパイロット制」を導入したほか、毎月1回の会議で訓練の振り返りや課題を隊員同士で共有する機会を設けた。石坂秀彦所長(59)は「新機体が来て隊員の活気も高まっている」と話す。
 活動再開には、県内特有の険しい地勢の習熟が欠かせない。活動範囲は県内の南北約210㌔、東西約120㌔に及ぶ。現場は3000㍍級の山々がそびえる国内屈指の難所で、過酷な状況下での運航になる。
 陸上自衛隊出身で昨年4月から操縦士を務める内山翔太さん(31)は「特異な地形と厳しい気象条件での活動になる」と覚悟する。再開後もしばらくは急峻な山岳地域での救助活動は行わず、隊員の練度向上や段階を踏んで活動範囲を広げていくという。
 「安全はみんなでつくり上げていくもの」。松本広域消防局から5年の任期で昨年4月から派遣されている田中竜太隊員(35)は、そう自覚する。活動再開が迫る中、「消防防災の最後の砦という誇りを胸にやっていく」と気を引き締めた。

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