連載・特集

2021.3.31みすず野

 60歳で定年後、再雇用の形で勤め続ける人が多数派になった。では、いくつまで続けるのか。それぞれが決める時代である。年金、貯蓄、家族などとの兼ね合いで、生活の見通しが立った時点で退く人もいる一方、65過ぎて勤める人も増えてきた◆とにかく稼がねばならない、家にいてもやることがない人は、長く勤めるに越したことはなかろう。逆に、やりたいことがある、学び直したい、何かの活動に汗したい、などという人は余力を残して退くほうがいいのでは。いずれにせよ、個々が決める。ただ、やることがないのは寂しい◆どんなに華々しい仕事人生であったとしても、仕事を除くと何もない、人間関係もそこにしかないでは、いかにもである。やりたいことがある人の話だが、適当なところで辞めて後進に道を譲り、自由になった時間をそこに充てる。それまで会社や組織に尽くしてきたのだから、今度は自分のため、地域のために、使えばいいと思う◆老後にとって最も大事なのは時間。やりたくないことを無理にやる時間はなく、やりたいことをやりながら、終幕に向けて物や家財を縮めてゆけばいいのではあるまいか。

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