連載・特集

2021.3.17みすず野

 8月15日がめぐり来る度、戦後何十何年との言い方をする。戦争の悲劇を決して忘れない、二度と戦争はしないと、誓いを新たにする。3月11日もまた、東日本大震災を忘れない、そういう日になるに相違ない◆巨大津波による原発事故が起きて数日がたち、事態の深刻さが明らかになるにつれて、「収まってくれ」と祈るほかなかったが、10年の歳月が流れた。原発事故の10年、被災者、避難者の10年に想いを寄せるなか、私たち一人一人の10年でもあった、とあらためて振り返る◆過ぎてしまえば、須臾の間という気がしないでもない。しかし、10年の間にはさまざまなことがある。10歳だった小学生は成人し、青二才の若者は中堅となって、家庭を築いていて不思議はない。50歳の働き盛りは定年を迎え、60代前半だった人は高齢者である。家族の誕生、成長、自立、そして別離...◆本紙「口差点」に、安曇野市の70歳の女性が、「激動の10年」と題して、東日本大震災の翌日発生した下水内郡栄村の地震と家族の関係、孫の巣立ちなどへの思いを記していた。言わずもがなだが、皆それぞれ頑張って生きて10年、いまがあるのである。

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