政治・経済

河床低下「置き土」で対策 明科の犀川 農水産業に影響 試験へ

 国土交通省千曲川河川事務所は、河床低下による農業利水や湧水への影響が課題となっている安曇野市明科地域の犀川で、松本市安曇の山岳景勝地・上高地の梓川で掘削した土砂を、河床に入れて底上げする「置き土」試験に着手する。堆積した中州の土砂を切り崩して河床に戻す「河道整正」も行い、河床低下の原因となっている流路の偏りを改善させる。新たに水位計を3カ所に設置し、効果を確かめる考えだ。

 市によると、河床低下は犀川や梓川で発生しており、農業用水の取水口と河川に段差が生じて取水が難しくなったり、周辺で湧水量が減ってワサビ栽培やニジマス養殖に影響が出たりしている。
 河床低下は、上流のダムによって土砂の供給量が減り、流路が固定化することで局所的に深く掘れて起きているという。流路が固定化することで、冠水頻度が低下した場所ではニセアカシアなどの外来植物が繁茂する原因にもなっている。
 置き土試験と河道整正が行われるのは、犀川と高瀬川、穂高川の合流部付近で、「ワサビの湧水に一番影響が出やすいとされている場所」だという。今季のカジカ漁終了後の3月1日以降に着手する。千曲川河川事務所松本出張所は「流路の固定化で堤防が壊れても困る。広く水を流すことで木も生えにくくなり、河川環境としてはいい」とする。
 置き土試験で使う土砂の量は、目安として約3000立方メートルが見込まれている。県松本建設事務所が上高地の梓川で掘削した土砂を無償で譲り受けた。上高地の梓川は勾配が緩いうえに山からの土砂供給が多く、安曇野市内の犀川や梓川とは対照的に河床上昇が長年の課題となっている。
 犀川や梓川の河床低下を巡っては、市内の関係団体で組織する犀川・梓川河床低下防止対策協議会(会長・宮澤宗弘市長)が「地域の特色を生かした農・水産業の存続が危ぶまれる」として、国に対策を求めてきた経過がある。同協議会は千曲川河川事務所の対応に合わせて、投入した土砂の流出を防ぐ巨石の設置を予定する。

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