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イベントで道具・機械修理 まちの修理名人会が20年の歴史に幕 塩尻

家電製品、おもちゃなど多彩な品物を修理した名人会の活動。高齢化などで幕を下ろした

 さまざまな分野の熟練技術者で組織する塩尻市の「まちの修理名人会」が20年の活動に幕を下ろした。市の環境イベントなどで、電化製品やおもちゃ、家具の修理、刃物研ぎを手掛け、物を大切にする心を伝えてきたが、会員の高齢化で継続が困難になった。新型コロナウイルス感染拡大で活動の場が確保しにくくなったのを機に、区切りを付けた。

 平成12(2000)年に発足した。機械、電気、木工、塗装、板金などの技術者が「捨てればごみ、直せばごみでない」を合言葉に、実費のみで修理をした。イベントの修理会は毎回40~50人が予約する人気で、高齢女性が「夫婦の思い出の品」と持ち込んだ蓄音機から、鉄びんのふたまで多様な品を復活させた。刃物研ぎも包丁だけで1日30~40丁をこなした。
 しかし20年を重ねる中で、働き盛りだった会員は70~80代となり、20人ほどいたメンバーは半減した。昨年の総会で解散を決め、積み立てていた謝礼など6万1944円をこのほど市に寄付して、活動を終えた。
 電気、機械、金属加工の技術に精通し、会長を務めた赤須正秀さん(82)=塩尻町=は「昔に比べて製品が弱くなり、設計もしっかりしていない。分解して故障箇所を探し、直す技術を持つ若者も育たない」と、使い捨て文化を寂しがる。仲間と共に時代の流れにあらがった20年を走り終え「今は重荷が下りた感じ。一定の貢献はできたのではないか」と締めくくった。