政治・経済

75施設を廃止・譲渡 松本市が計画案 老朽・利用度や人口で判断 

個別施設計画案で令和3年度に廃止する方針の旧庄内体育館

 松本市の公共施設の維持管理に関する方向性を個別に定めた計画案がまとまった。令和3~7年度で、対象とする644施設のうち75施設(11・6%)を廃止または譲渡する方針だ。来年度以降、地域別に出前講座や市民ワークショップを開いて市民の理解を深める。

 市がこのほど公表した個別施設計画案によると、文化財指定を受ける建物などを除いた50平方メートル以上の建築物を対象に、老朽度や利用度、人口分布などを踏まえて方向性を出した。全644施設のうち廃止(除却)は41施設、譲渡は34施設で、約8割の524施設は維持。このほか他施設との複合化、転用が各6施設などとした。
 今後5年間で廃止または譲渡する方針の施設は奈川、四賀といった郊外の合併地区に多い。旧奈川歴史民俗資料館、穴沢温泉保養センター松茸山荘(本館)、波田観光案内所などは廃止に、旧安曇大野川歯科診療所、梓川地場産品直売センターなどは譲渡に方向付けた。合併前に各地に設置した小規模の集会施設も地元町会に譲渡する方針だ。
 市の試算では、施設の老朽化や人口減少の進行に伴い、公共施設の維持や更新に充てられる費用は将来、年間28億5000万円不足する見込みだ。この対策として施設の長寿命化と併せ、平成27年度に113万平方メートルあった施設総量を令和27年度までに20%削減し、90万平方メートルにする目標を定めている。
 四賀球場など新施設の増加で令和7年度時点の削減率は1・78%にとどまる見通しだが、市は合意形成を丁寧に進める方針だ。契約管財課の公共施設マネジメント担当者は「施設を減らすためではなく、持続可能な市であり続けるための計画だ。将来世代に多くの負担を掛けないためにどうすべきか市民と一緒に考えたい」としている。
 個別施設計画案のパブリックコメントは2月16日まで受け付けている。