政治・経済

県が医療非常事態宣言

 県は14日、新型コロナウイルス感染者の医療提供態勢のひっ迫度を示す県独自の医療アラートのうち、3段階で最も重い「医療非常事態宣言」を県内全域に発出した。年明け以降に感染者が急増し、松本圏域で入院調整が困難な状況が生じるなど医療提供態勢に大きな負担がかかっており、基準に達した。阿部守一知事は「医療の負荷が増大しており、早急に感染者数を減少させなければ救える命が救えなくなる恐れがある」とし、県民に対して人との接触機会を減らすなど対応を呼び掛けた。

 発出期間は2月3日までの3週間。感染者を受け入れる実質病床利用率が5割を超える状況が続くなど発出基準に達したことや、感染者が住む医療圏で受け入れられない患者(14日現在33人)が数多く発生したことを受け、対策本部会議で発出を決めた。中等症と高齢者の入院患者が多く、医療従事者の人手不足も生じている。
 2月上旬までに全県の感染警戒レベル3以下(1週間当たりの新規感染者数102人未満)で、受け入れ可能病床数に対する入院者の割合25%未満を目指す。そのために県民に感染拡大地域への訪問を極力控えることや、大人数、長時間など感染リスクが高い会食(自宅や職場を含む)は控えることも求める。
 県は現行の病床数350床に加え、臨時運用できる50床を確保し、広域的な受け入れ態勢を整える。宿泊療養施設も新たに1カ所増設する。
 阿部知事と県医師会会長、医師会常務理事が合同会見を開き、松本市立病院の中村雅彦院長もリモートで参加した。中村院長は看護師不足などの窮状を訴えた。
 感染拡大の第3波は2カ月以上継続しており、医療従事者の疲弊や地域医療の機能低下が懸念されている。阿部知事は「医療の負荷が増大すれば、県民の命と暮らしを守ることが難しい局面になる」とし、感染リスクを減らすための行動を呼び掛けた。