タクシー型自動運転車 塩尻駅周辺で実証実験 運転手なしの走行も

塩尻市や市振興公社、先端技術の開発企業などは今週、JR塩尻駅周辺で、タクシー型の自動運転車の実証運行を始めた。22日までの期間中、県内初となる運転席に人が乗らない形での自動運転走行も予定しており、将来的な実用化に向けて技術・経験を蓄積する。昨秋のマイクロバス型の自動運転車の実証に続く取り組みとなる。
自動運転車3台を、塩尻駅―市役所間(約1キロ)や塩尻駅│桔梗ケ原ワイナリーエリア(約6・7キロ)で、平日の午前10時~午後4時に運行する。市振興公社のテレワーク事業・KADO(かどう)のワーカー(働き手)らでつくるチームが製作した高精度3次元地図を基に、車体上部に備えるレーザーセンサーで周囲の状況を読み取りながら走行する。
担当者が運転席に乗り、ハンドルをすぐに握れる状態で運行する形が中心となるが、19日には塩尻駅―市役所間で運転席を無人にして自動運転を行う。塩尻情報プラザ内に設けた遠隔監視室から車両や周囲の状況を見守るほか、伴走車を走らせてリスク管理に当たる。
昨秋、市内で行ったマイクロバス型の自動運転車、人工知能(AI)活用型オンデマンドバスの実証運行と合わせ、先端技術を活用して新たな地域交通体系構築を目指す取り組みの一環に位置づける。荻上真功主事は一連の先端技術の実証を通じ「将来的にはいち早く地域で実用化し、市民の生活の質向上に役立てたい」と話している。
今回の実証運行では一般市民の試乗も予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ中止とした。