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豆まき中止 苦渋の決断 松本地方の寺社 悪疫退散祈願は通常通り

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、松本地方の神社や寺院で、2月2日の節分行事の「豆まき」を取り止める動きが出ている。例年、境内の建物や特設舞台から福豆やお菓子などが盛大にばらまかれ福を求める大勢の参拝客でにぎわうが、密集が感染拡大につながる恐れがあるためだ。にぎやかな雰囲気を楽しみにする参拝客も多い中、各寺社は理解を求めている。

 松本市深志3の深志神社は夕方の豆まきを中止する。焙烙鉄鍋で豆を炒って神前に供える「豆炒り式」や、弓の弦を鳴らして邪気をはらう「鳴弦の儀」、拝殿内での豆まきなど節分祭の一連の儀式は通常通り行う。福豆や福だるまなどを福枡とセットにした授与品の受け取りは午前9時~午後6時に受け付ける。同神社の牟礼仁宮司は「中止は残念だが伝統行事を感染拡大の原因にしてはいけない。節分祭で世の中の状況が少しでも良くなるよう祈願したい」と話す。
 例年、地域住民の成田講による節分行事がある同市女鳥羽1の恵光院も豆まきの中止を決めた。関係者による祈祷や豆まきの儀式はあるが、年男・年女らが参列する夕方の祈祷は取り止め、地域の子供たちのお楽しみのお菓子入り福袋も配らない。福だるまなどの縁起物の受け取りは通常通りに行う。近藤文雄住職は「いつもより寂しい節分だが状況を見ればやむを得ない。祈とうで悪疫退散を祈りたい」と話している。
 安曇野市の穂高神社も、最近の感染拡大状況を鑑みて節分祭の福豆まきの中止を決めた。午後4寺から、拝殿での神事の豆まきと、かまどの神に感謝し火の災いがないよう願う「竈神祭」のみ行う。