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コロナ差別なくそう 明善中が特別授業 松本市教委が全小中学校に指導案

 新型コロナウイルスの感染が県内でも拡大する中、松本市教育委員会が、感染者に対する差別や偏見を無くすための授業に力を入れている。14日には小県郡青木村の小学校で感染児童の集団発生が確認されるなど教育現場にも感染が広がる中、当事者の気持ちに寄り添い、互いを思いやる心を育む狙いだ。17日には明善中学校で市教委と同校が企画したオリジナルの授業があり、1年生がコロナ禍の人権を考えた。

 1年3組(板花啓太教諭、27人)では生徒たちが、差別する側と受ける側双方の気持ちを考える授業に臨んだ。目に見えないウイルスを相手に不安が募り、怒りや偏見が生まれるのではないか―。生徒たちはそう分析する一方、感染者の思いを想像し「差別に家族まで巻き込まれたら悲しい」と声を上げた。板花教諭が「恐れるべきは人ではなくウイルス」の言葉を紹介すると、望月舞さん(13)は「感染した人を責めては絶対だめ。相手の気持ちをきちんと考えたい」と話していた。
 市教委は今学期、コロナ差別を考える学習指導案を作成し、市内の全小中学校に提案した。これを受けて明善中は1年生の道徳の授業で実施を企画。人権教育担当の板花教諭と市教委の中島紀子・学校指導課指導主事が事前の打ち合わせを重ねて内容を練り上げた。
 市教委は学校や学年、地域の実情に応じた形で授業の実施を広げたい考えで、中島指導主事は「コロナ禍の価値観は千差万別だが差別は決して許されない。そこはぶれてはいけない」と指摘する。
 「仮に誰かが感染しても、回復後は皆で笑顔で迎えよう」。板花教諭はこの日の授業をこう締めくくった。