連載・特集

2020.12.21 みすず野

 古代人は太陽を動物、植物と同じ生きものととらえ、生きとし生けるものの象徴として崇めたとされる。太陽は朝、東から昇り、夕方には西に沈む。生死を毎日繰り返すのだが、もし万一、沈んだままだったとしたら、私たちの命も潰える◆きょうは冬至。一年で昼が最も短く、夜が最も長くなる日。つまり太陽の力が最も弱まる日。古代人は洋の東西を問わず、それを知っていて、さまざまな祈りを捧げてよみがえりを願った。わが国のいまに伝わる風習も、どこかに祈りが込められているようだ◆以前、安曇野市の年配の方が自ら作った「冬至かぼちゃ」を毎年、たくさんくださった。冬至にカボチャを食べると風邪をひかない、中風にならないの言い伝えがあるが、自給自足の昔はこの時季、新鮮な食べ物が乏しくなる。保存の利くカボチャは貴重な栄養源で、冬至かぼちゃを食べ、元気に長い冬を乗り切ろうとしたにちがいない◆冬至を過ぎると、日脚はわずかずつ伸びる。本当の寒さはこれからとはいえ、この日を境に、すべての生きものの源である太陽の光が少しずつ増してゆく。「母在りき冬至もつとも輝きて」(三橋鷹女)。