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信大生 居酒屋切り盛り 学生メニューを開発 就職情報提供へ

常連客とにこやかに会話を弾ませる及川さん

 信州大学経法学部3年生の及川真結香さん(21)は、学業のかたわら居酒屋HANA(松本市大手4)を切り盛りしている。起業を志して進学したことから「(店を)任せてもらいうれしい」と張り切り、オーナーをはじめ周囲の飲食店主らに助けられながら学生が集う理想の店づくりに奮闘している。

 「小さな頃から経営者になりたかった」と語り、昨年は東京の起業塾にも通っていた。新型コロナウイルスの影響で通えなくなり、何かしようと大学の友人と取り組んだ飲食店の宅配サービスがきっかけでオーナーの居酒屋経営・花岡智さん(39)=安曇野市三郷明盛=と知り合った。
 飲食店が集まる「ひがしまち横丁」に半年ほど閉まっていた店舗があり、花岡さんの提案で秋から集客やメニュー開発といった運営を任された。
 現在は授業のない水曜日と週末の週3日間店を開け、営業日を増やすため友人をアルバイトに迎える準備をしている。
 主なターゲットは学生で、メニューにはおつまみのほか夕食用の定食が並び、常連客限定の格安日替わり定食も用意した。「大学生にとって有益な場にしたい」と自炊や就職活動に役立つ情報を提供する予定で、店内に企業から学生向けの広告を出してもらうビジネスなども構想中だ。
 自分で学費を支払い、塾講師や学生ベンチャー企業の仕事もこなすため店の営業中に大学の課題に取り組む日もある。多忙ながらメニューも店舗内装も友人や客、同業の先輩の協力・助言で精力的に改良し「人と関わって形にしていくことがすごく楽しい」と笑う。
 一方で、自分の給料を十分賄える収益はなく現実の厳しさにも直面している。「周りの社長たちはビジネスセンスやマネジメント力がすごい。教えてもらいながら勉強していきたい」と意欲を見せている。