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名品ギターに漆器の技法 有名メーカー・フェンダー社が木曽平沢の岩原さん起用

エレキギターの漆塗りに取り組む岩原さん

 塩尻市木曽平沢の未空うるし工芸社長・岩原裕右さん(42)が漆塗りを手がけたエレキギターが、15台の限定製品としてこのほど発売された。世界的な楽器メーカー・フェンダー社の代表的な機種の一つ、ストラトキャスターの「漆ストラトキャスター」として登場した。漆独特の品の良いつやを生かした仕様で、伝統産業の新しい展開として注目される。

 漆ストラトキャスターは、ボディーの部分に「黒呂色」という深みのある黒漆を塗り、金色の粉を漆面に落とす「金継ぎ」という漆器の修復に用いる技法で、金色の線を入れてある。漆のデザインは岩原さんの案が採用された。
 金色の線のデザインは、手描きのため1台ずつ異なる。全く同じ線を入れるのは「機械でできることで意味がない」(岩原さん)と、線の太さなどを変えてある。フェンダー社の高い品質の工業製品に「手作業をどう表現するか」という部分で最も苦労したという。
 岩原さんの起用は、同社の日本製製品を製造している茅野市の工場が紹介して実現した。この製品開発責任者で、同社の日本法人およびアジア統括本部であるフェンダーミュージックの藤川真人プロダクト・マネージメント・ディレクターは「日本製のギターとしての高い品質と、漆職人による高いクラフトマンシップが融合した製品が完成し満足している。音を奏でる芸術作品だと思う」としている。
 岩原さんは今回の仕事を機会に「漆の新しい使い方に取り組みたい」と話している。
 漆ストラトキャスターは45万円(税別)。問い合わせはフェンダーミュージック(電話0120・1946・60)へ。