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塩尻の筑摩書房創業80年 古田晁の出版業績たどる

「古田晁文庫」コーナーに設けた筑摩書房創業80周年のテーマブックス

 塩尻市北小野出身の古田晁(1906~73)が筑摩書房を創業して今年で80周年を迎えた。市立図書館は8日に、市民交流センター・えんぱーくで古田の業績を知る講演会「古田晁記念館文学サロン」を開く。本館の一角にある「古田晁文庫」コーナーには80周年にちなんだテーマブックスを設置した。

 古田は昭和15(1940)年に筑摩書房を創業した。太宰治の文才にほれ込み、代表作の『人間失格』を編集担当し、公私にわたって太宰を助けたことが知られている。社長を務めていた39年には同社が小説の新人賞・太宰治賞を創設した。
 生まれ故郷の旧筑摩地村(現在の塩尻市北小野)には昭和27年から15回にわたって、筑摩書房が出版した本を寄贈した。古田の死後も遺族や筑摩書房から寄贈が続いている。
 市立図書館に引き継がれた本は約1万8000冊に上る。蔵書のうち、文庫・新書・叢書を集めた専用コーナーも設けている。上條史生館長は「蔵書数は全国でも有数の規模。市立図書館の大事なコレクション」と話す。
 文学サロンは平成8(1996)年から毎年開かれ、今年で24回目となる。2部構成で、第1部は太宰治賞受賞作家の阿佐元明さんが講演する。第2部は、古田が暮らした塩尻市などを取材して太宰の評伝小説を書いた作家・松本侑子さんが「古田晁が敬愛した太宰治と『人間失格』」と題して話す。
 上條館長は「塩尻が生んだ偉大な出版人の業績を知り、出版文化や本の可能性を考える機会にしてほしい」と話している。
 サロンは「信州しおじり本の寺子屋」の一環で開講する。8日午後1時半~4時。参加無料。希望者は市立図書館本館(電話0263・53・3365)に申し込む。