政治・経済

実証運行中のAIバスに記者が試乗 使い勝手良好 塩尻市

AIが計算したルートに沿って車を走らせる運転手

 塩尻市内で今月いっぱい、人工知能(AI)活用型オンデマンドバス(予約制乗り合いバス)「のるーと塩尻」の実証運行が行われている。利用者減やドライバー不足など既存公共交通が抱える課題を克服し、新交通システムの実用化を探る。記者が試乗して使い勝手を確かめた。

 配車はスマートフォンアプリや電話で予約する。試乗では大門並木町の市民タイムス塩尻支社近くで乗車し、松本歯科大学病院で受診し、中心市街地の市民交流センター・えんぱーくやウイングロードを利用して帰る―というルートを想定した。
 記者はガラケーなので電話予約だ。のるーと塩尻のチラシを見ながら目的地などを告げると、出発・到着の予定時刻をオペレーターが教えてくれる。到着時刻は「午前10時40~50分」というように伝えられた。バスが近づくと「まもなくバスが到着します」とのショートメールが届く。運転手に電話番号下4桁を伝えて乗車した。
 運転手は、運転席横に備え付けられたAI端末機を参考にする。予約状況を即時反映するため、運行中に配車予約を入れた人も拾える。男性運転手は「AIの運行はとてもスムーズ」と話していた。
 率直に利用しやすい印象を抱いた。バスが来る時刻や目的地への到着時刻が明確で、待たなくて済む。乗りたい人が乗りたい時に使うので、乗客ゼロの路線バスを走らせる無駄もない。広範囲の運行が可能か、乗客が大人数になったらどうするか、といった課題にも対応すれば、将来の公共交通として普及する可能性はあると思った。
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 1日に始まった実証運行は、高出、桔梗ケ原、大門などの乗降拠点約70カ所から、出発地と目的地を選べる。8人乗りワンボックス車3台が走り、乗りたい時に呼んだり、時間を指定して予約したりできる。実証運行に携わる市振興公社によると8日までの延べ利用者は約580人で、予想を上回っている。担当者は「実用化に向けて実績を重ねていきたい」と話している。

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