連載・特集

2020.11.10みすず野

 あっちに行ったり、こっちに来たり、その時の権勢によって、所属政党やスタンスを変える政治家がいる。日本はことに多いが、この人は一貫している。裕福な家庭に生まれたが、父親が事業に失敗し、苦しい生活を送った幼年期に、その原点はあるようだ◆だいぶ気をもませたものの、米大統領選で勝利した民主党のバイデン前副大統領である。交通事故で前妻と娘を失い、2人の息子は生き残ったが、瀕死の重傷を負う悲惨な体験、加えて自身も45歳のとき2度脳動脈瘤の手術を受け、リハビリを続けて政治活動に復帰する、という試練も乗り越えている◆分断をあおり、国内外に壁を築いたトランプ大統領の4年間に対し、「分断ではなく団結を。もう一度対話しよう。進歩のために対話しよう」と勝利宣言の演説で、国民に訴えた。どこまで実現できるのか、大変難しいかじ取りを求められるが、しかし、そうした努力を続けないと世界はいっそう分裂し、秩序を失ってしまう◆来年1月の就任時には、78歳になり、高齢にはちがいない。その分、外交、人種問題など経験値は高い。コロナと経済の両立が、当面の最大課題だろうか。

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