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松本のICT拠点利用順調 サザンガク開館1周年

多様なニーズに合わせて使用できるコワーキングスペース。情報交換から生まれる新たなビジネスも期待される

 一般財団法人・松本ものづくり産業支援センター(理事長・嵯峨宏一松本市副市長)が運営する、松本市大手3のICT(情報通信技術)拠点施設「サザンガク」が11月1日に1周年を迎える。場所や時間の制約にとらわれない柔軟な働き方を提案し、新型コロナウイルスの影響下でも雇用を創出してきた。施設を拠点に県外企業に勤める利用者もおり、地方都市での新たな暮らしの実現にもつなげている。

 施設の機能は大きく三つだ。ICTを使って都市部の本社などとは別に開設するサテライトオフィス、多職種の人々が緩やかに交流しながら仕事やイベントの空間を共有するコワーキングスペース、時間や場所の制約にとらわれず働くテレワークオフィスがあり、どれも成果を上げている。
 テレワークには乳幼児の母親など70人余が登録し、センターが外部から受注するパソコン業務を希望日時の範囲でこなす。受注額は本年度目標の900万円に対して9月末現在で592万円に上った。コワーキングスペースでは県との連携が始まり、創業支援や中小企業・個人事業主向け相談も展開する。
 16区画中15区画を貸し出すサテライトオフィスは全室が埋まった。利用者の一人で新潟県の農業生産法人・ふるさと未来の長崎明子さん=安曇野市出身=は施設内に事務所を置くことで帰郷し「仕事を続けたいが地元にも戻りたい」の願いをかなえた。「(場所を選ばない)リモートワークと充実した施設環境がマッチングした」と喜び、松本平での事業展開にも意欲を見せていた。
 一時はコロナ禍で閉館するなど運営が危惧されたが、川上正彦事務局長は「結果的には時代の要請に合った」と話す。人口減少社会にあって持続可能な地方都市の一助となることを期待していた。11~12月には先端技術セミナーなど1周年記念事業を多数催す。詳細はホームページへ。