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ユタ日報 インターネットで公開

インターネット公開されたユタ日報のデジタル紙面

 松本市中央図書館が所蔵する米国の日系人向け新聞「ユタ日報」が、カリフォルニア州・スタンフォード大学フーヴァー研究所によってデジタル化され、今秋インターネット公開された。創刊の大正3(1914)年~昭和22(1947)年に発刊された6063日分で、当時の移民社会や国際的な世情を知る上で貴重な手段となりそうだ。

 ユタ日報は明治末期、信州から渡米した寺澤畔夫・國子夫妻によってユタ州ソルトレークシティーで発刊され、第2次世界大戦中も含めて切れ間なく平成3(1991)年まで刷られた。同5年に遺族が現物を市に寄贈し同館の貴重なコレクションになっている。
 ネット公開されたのは著作権の観点から戦後間もない時期のものまで。フーヴァー研究所が運営する世界最大規模の「邦字新聞デジタル・コレクション」に加えられ、専用ホームページから検索と閲覧が可能になった。発行日ごと紙面が高画質で表示され、日系人コミュニティーの情報から商業広告まで当時の現地社会の様子を知ることができる。
 おととし11月に、研究所から市にデジタル化に向けた提携の提案があったという。来日した研究所学芸員との打ち合わせも経た上で資料を貸し出し、データ処理が進められてきた。中央図書館ではユタ日報の現物、マイクロフィルム紙面、復刻版を所蔵するが、いずれも来館者でなければ閲覧できない。瀧澤裕子館長は「発刊中には日米の戦争もあり多くの移民が両国のはざまで翻弄された。歴史や平和を考える上でも広く活用されれば」と話している。