地域の話題

中学校の職場体験 校内出張講座が好評

家づくりを学ぶ講座で講師の話を熱心に聞く生徒たち(松本市菅野中学校)

 松本地方の中学校が2年生を対象に行っている職場体験学習が、本年度は新型コロナウイルスの影響で生徒の受け入れ先を確保できず、多くの学校で中止される状況となっている。断念した学校は、生徒たちが将来を展望する機会を得られるように、講師を学校に招いて講座を開いたり、別の方法で職業観を育んだりするなど工夫している。

 松本市校長会によると、市内では本年度に職場体験学習を中止、または見合わせる予定の学校は全体の8割に上る。感染予防のため、介護施設や医療機関、飲食店などから受け入れを断られるケースが多いという。
 キャリア教育は中学校の3年間で段階的に行われている。職場体験はその一環で、今年はコロナの影響を受けているものの「どの学校も学びを止めるのではなく工夫して別の方法で行っている」(市校長会長・藤田克彦鉢盛中校長)という。
 松本市の菅野中は27日と28日に校内で出張講座を計画した。市内外の事業所・団体約60カ所から講師約100人を招いて65講座を設け、2年生163人がそれぞれ4講座を受講する。細田拓海君(14)は「ものづくりが好きなので作ることが仕事の講座を四つ選んだ」と話し、家づくりや介護、プロサッカー選手、青年海外協力隊に関する講座を選んだ太田大河君(14)は「いろんなことに興味がある。将来の選択肢を増やしたい」と見据えた。
 菅野中は職場体験学習の90人分の訪問先しか確保できず、2学期に入って出張講座に変更した。約200~300事業所・団体に講師の派遣を依頼したという。2学年主任の北澤信教諭は「『子供たちに夢を持たせたい』『教えてあげたい』と快く協力してくださる所が多くてありがたかった」と感謝する。出張講座には多様な職業に触れられる利点があり、「生徒たちがいろいろな大人に会い、思いの詰まった生の声を聞き、自分の未来予想図を描いてくれたら」と話していた。